スピーカーの常識を変える。マーティー101・ジュピティ301、タイムドメイン理論に基づいた革新サウンド。

BauXar
Review
●久保田麻琴:
同志社大学在学中の1970年、URCよりシングル・デビュー。また同年、軽音楽部の仲間だった水谷孝のバンド、裸のラリーズの第二期メンバーとして参加。その後大学を1年休学しアメリカを旅行。帰国後、松任谷正隆とコ・プロデュースでソロ・アルバム『まちぼうけ』を発表。また、裸のラリーズと並行して夕焼け楽団を始める。喜納昌吉の「ハイサイおじさん」の粋なカバーなど、ブルース、ヒッピーカルチャー、アロハ、琉球(沖縄)などを昇華したアルバムを数枚発表する。のちに夕焼け楽団は、サンセッツとして世界的に活動を新たにする。シングル、「スティッキー・ミュージック」は、1984年オーストラリアで大ヒットした。細野晴臣と親交が深く、ユニットを結成したり、久保田の係わる作品にゲストミュージシャンとして参加している。90年代はプロデューサー業中心で、ザ・ブーム、マンデイ満ちる、島田歌穂、ディック・リー、エルフィ・スカエシなど、多くのミュージシャン、歌手をプロデュースする。著書に「世界の音を訪ねる」(音の錬金術師の旅日記・岩波書店・2006)がある。
BALI DREAM
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久保田麻琴
 

今回の久保田麻琴さんへのインタビューは、ボザールの設計開発者である栗田真二
久保田さんのご自宅でお話をお伺いしてまいりました。

――“ワールドミュージックの火付け役”と云われていますが、その出会いのストーリーをお聞かせ下さい。

もともと、〈音〉との出会いから話は始まります。育った北陸では家業が映画館であったため、幼い頃から音と映像に囲まれていました。中学時代に意識した音楽はモダンジャズです。その後、ロックやブラジル系の音楽にも興味を持とました。ブラジルでも、バーデン・パウエルが好きだったので、この辺りからワールド系がやや入りだしたのかも知れません。

学生時代から音楽活動を行ってましたが、ブラジル、ハワイ、インドネシア……と海外を回って見て・聴いて”自分にピッタリの音楽”を選ぶ意識を強く持つようになりました。ブルース、ジャズやロックをはじめ、世界の様々なルーツ音楽でもすばらしいものがあります。

――「ワールドミュージック」の定義はありますか?

難しいですね。一般的に1980年代後期にフランス発といわれていますが、時代と共に変化すると思います。60年代にはすでに、ラテン、カリプソ、エキゾチカ、そして我らがキュー・サカモトがあったわけですが……。ブルース、レゲエも発祥当時は〈ワールドミュージック〉ということでしょうが、世界化してポップスの世界で市民権を得たジャンルとなっていったのだと思います。

私の中では地元の音楽に根付いた大衆音楽と考えています。最近は専門に扱うCDショップもあります。最近アメリカのロック系の若いリスナーも世界の珍しい音楽を貪欲に聞くようになってきました。良いことです。

――このワールドミュージック系音楽と「BauXar Jupity301」の相性は如何でしょうか?

良いと思います。特にワールドミュージックで使われる楽器はその地元の民族楽器が多いですが、民族楽器や 肉声は倍音が豊かです。これらの音を「Jupity301」で再生すると丁度〈エキサイター(exciter)〉をかけた様なクリアな音で聴けます。 「こう聴こえるべき」という倍音再生をこのスピーカは可能にしてくれます。不思議な感じです。

民族楽器の多くはデリケートな波形で音を発していますが、これがうまく再現できるようです。楽器の一つ一つの音がつぶ立ちがよく、艶をを感じます。又、定位や音場がはっきりしていますが、これは左右スピーカの音の位相が整っている為と思います。このあたりは普通のどんな音楽の再生でも、驚くほどクリアな再生をしてくれるので、それほどボリュームをあげなくても音楽を近くに感じることができます。

一般的に民族音楽の演奏は楽器の特性や楽器編成の構成上、響きの方向性が無い場合が多くあります。西洋楽器に比べて、音の広がりが無指向的なのですね。無指向性スピーカの「Jupity301」はそのイメージをうまく再現できます。

チョッとそれますが、エジプトなど中東系のライブのクラブ音響に興味を持っています。特に100〜500人程度以下の会場の話ですが……エジプトのそれは音がコンサート会場全体を包むように音響機材のセッティングがされています。観客、ミュージシャン、音響エンジニアがある種”同じ音”を聴いている、というか共有してるのです。エンジニアはステージの前で観客の方を向いてミックスしている。

一般的には日本や西洋の場合、観客はステージ前のPAスピーカ、ミュージシャンはステージ上のモニタースピーカ、音響エンジニアは正面のスピーカーを遠くから聞く、あるいはヘッドフォンでミックスされた〈音〉を聴いています。ミュージシャン、音響エンジニアは「観客はこんな音で聴いているのだろう」と想像の範囲で演奏をしています。そこには、〈音〉の一体感が不足しているような気がします。

中東式だと大雑把に言って、一つの音を共有するわけですね。私がライブ音響を担当する場合、この方式を利用することが多いです。少ない機材で確かで親密な音がオーディエンスに伝わるので、コンサートとしての成功率が高いのです。しかも機材が少なくて済むので、プロチョイス、かつエコでもあるわけです。

そんな意味でも〈無指向性スピーカ〉の「Jupity301」は私の作りたいライブ会場的な音響を自分の部屋で聞くことと近いのかもしれません。

――「Jupity301」で不満に感じる部分はありますか?

現代の音楽には低音は欠かせません。ベースや打楽器のある部分は60Hzから100Hzあたりが必要ですが、「Jupity301」では明らかに不足しています。スピーカの大きさからこのあたりの音を要求するのは難しいでしょうが、60Hzあたりからのベース音の再生が可能な補助的なサブウーハはできませんか?2.1chシステムになりますが、さらにユーザー・フレンドリーで面白いスピーカシステムになると思います。

――確かにその様な要望は今までもあります。残念ながら現在の「BauXar」商品では用意していない為、お客様には汎用のサブウーハーをお薦めしています。この課題は今後の商品開発に展開したいと思います。

その際は協力させてください。楽曲によってサブウーハーの音量調節が必要です。リスナーにその匙加減を任せることにもなるわけで、難しい課題だと思いますが、是非挑戦していただきたいですね。現在市場にある音楽でベースや低音の打楽器の入らない音楽は珍しいですから。

もう一つ、「BauXar」カスタマイズ企画は出来ませんか?おそらく「BauXar」スピーカは工場で量産された基本スピーカですよね。ユーザーの中にはさらに音質を重視したい方々も居られると思います。このユーザーリクエストに答える〈音質改善カスタマイズ〉企画も面白いと思います。

――弊社では「Marty101」の表面デザインについてカスタマイズの対応をしています。音質改善カスタマイズはまだ行っていません。大手メーカでは対応しにくいリクエストですが、弊社レベルであれば可能な範囲とも思います。検討したいと思います。

――久保田さんはミュージシャン、レコーディングエンジニア、プロデューサー、DJと……色んな顔をお持ちですが、最近の”マイブーム”はありますか?

ブラジル、モロッコ、ハワイ、東南アジア、沖縄……海外の音楽・音を色々と収録・編集してきました。 日本のもので面白い音楽を見つけました。宮古島に残る〈神歌〉や〈古謡〉は良いですね。宗教音楽や黒人霊歌に負けないスピリチュアルな”音”です。この”神歌”や”古謡”も地元で歌い継がれた長い歴史があります。このような古い歌も日本文化の一つルーツとして記録・紹介していきたいと思っています。この音との出会いは昨年の事ですが、今まで気づかなかった〈音〉で私にとっても衝撃的なマイブームです。

――”音”へのこだわりですね。

私は録音・編集作業を行っていますが、最近はデジタル技術が進み、複雑な編集作業が比較的容易に出来ます。

しかし音の加工段階ではなるべく真空管やトランスの機材を使ったりアナログ処理をするようにしています。デジタル化で利便性は大変良くなりましたが、楽器や人の声(唄)そのものに不足感をを感じることも多いのです。

特に声や生楽器は大変微妙な響きを持っています。そんな音の響きを大事にしたいと考えています。

最近、〈MP3〉やインターネットからの〈ダウンロード〉で音楽を聞いている人が多くなっています。それはそれで音楽を身近に聞くことが出来、音楽の普及にプラスになるでしょう。

しかし、音質的にはマイナス面もあります。そんな状況でも”音”を確かに心に届けることという努力は出来るだけ失いたくないと思います。


――今日は「Jupity301」のご試聴評価を含め多方面のお話を伺い大変ありがとうございました。まだまだ、素晴らしい音楽・音があるようですね。今後の久保田さんの”音発掘”に期待しています。ありがとうございました。

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